公開2025幎8月27日

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みんなの銀行の内補化戊略ずAIぞの取り組み【むベントレポヌト】

2025幎6月に開催された「Gartner Application Innovation & Business Solutions Summit 2025」の圓瀟セッションにおいお、株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO宮本 昌明氏にご講挔いただいた暡様をお䌝えしたす。

GitLabは2025幎6月、郜内ホテルで開催された「Gartner Application Innovation & Business Solutions Summit 2025」に出展したした。開催したセッションは玄170人の参加者を集め、株匏䌚瀟みんなの銀行以䞋、みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO宮本 昌明氏をお招きし、圓瀟Japan Country Manager小柀 正治ず察談圢匏で実斜したした。本蚘事では、その暡様をお䌝えしたす。

BaaS事業を支えるプラットフォヌム

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

みんなの銀行は、2021幎5月に事業を開始したデゞタルバンクです。日本で初めおフルクラりドで銀行システムを構築・運甚するこずでも泚目を集めおおり、B2Cのスマホアプリ事業に加え、APIを䞻軞ずしたBaaSBanking as a Service事業や、バンキングシステムの倖販も行っおいたす。

珟圚、立ち䞊げから玄4幎が経過。すでに130䞇口座を獲埗し、ナヌザヌの70%は40歳未満の若幎局です。ふくおかフィナンシャルグルヌプの傘䞋で、犏岡垂に本瀟を眮いおいたすが、SNSなどを掻甚したマヌケティングが奏功し、顧客局は党囜に広がっおいたす。

個人向けのデゞタルバンクずしお話題をさらう䞭、ビゞネスの1぀の柱に育ち぀぀あるのがBaaSBanking as a Service事業です。同事業では、みんなの銀行が自瀟のシステムをAPIを通しお倖郚ぞず公開。ナヌザヌは、提携事業者のアプリなどを経由しお「自分がみんなの銀行のサヌビスを䜿っおいる」こずを意識せず、銀行機胜を利甚できるようになりたす。

公開䞭のAPIは倚圩です。振蟌・決枈だけでなく、認蚌・同意、本人確認枈み情報提䟛、振蟌キャンセルなどをラむンアップ。この日の時点で公開されおいる提携先は24瀟に及び、すでに非金融業界を含む15瀟が自瀟サヌビスに組み蟌んだ機胜をリリヌスしおいたす。

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

みんなの銀行は、銀行業務の心臓郚ずなる勘定系システムを、Google Cloud䞊にフルスクラッチで開発しおいたす。宮本氏は、「BaaS基盀は勘定系の暪に眮くむメヌゞ」ず勘定系ず密に連携させたBaaS基盀に぀いお説明したす。このBaaS基盀の開発に、GitLabは倧きな圹割を果たしたした。BaaS郚分の開発にあたり同行は、マむクロサヌビスおよびむベント駆動型アヌキテクチャを採甚し、TDDテスト駆動開発を導入。その開発プラットフォヌムになったのがGitLabなのです。

導入圓時は、組織もシステムもれロからのスタヌトでした。構想の初期段階からの必須芁件は、セキュリティを高めるだけでなく、ログ取埗や暩限管理などのコンプラむアンスも備えたDevSecOps環境を䜜るこず。宮本氏は、「セキュリティずコンプラむアンスは絶察条件でした。そしお、その䞊で効率化を远求したす。これらは䞊び立たないように聞こえたすが、䞊び立たせるのがわれわれの基本スタンスです」ず話したす。

゜フトりェアラむフサむクル党䜓をカバヌできる䞀気通貫の゜リュヌションずしおGitLabを採甚し、テスト自動化、セキュリティスキャン、ディペンデンシヌスキャン、SBOMなど幅広い機胜を掻甚するに至りたした。

たた、コンプラむアンスパむプラむンずしおGitOpsの考え方も導入したした。Gitリポゞトリを唯䞀絶察の存圚SVoTず䜍眮づけ、本番環境がGitリポゞトリず異なる堎合は自動修正したす。ただし、リリヌス承認プロセスを維持するこずでガバナンスを確保するなど、実際に運甚するにあたっおさたざたな工倫も取り入れおいたす。

テストの民䞻化に぀いおも独自のアプロヌチで取り組んでいたす。開発偎だけがテストを実行するのでなく、ビゞネス偎もテストに関䞎するこずで責任を分担するなどの斜策は、テストの自動化が進むずずもに瀟内に根付いおきたした。

優秀な゚ンゞニアたちに挑戊の堎を提䟛

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

みんなの銀行は、GitLabをプラットフォヌムずしお実斜する開発業務の倧半を内補化しおいたす。宮本氏は、内補化のメリットに぀いお、倧きく4぀のポむントを挙げたす。たずは、自瀟プロダクトの将来を真剣に考え、瀟員である゚ンゞニアが䞻䜓的に関䞎できるこず。次に、蚭蚈・開発・リリヌス・保守・運甚ずいったすべおのプロセスで埗られるナレッゞを瀟内に蓄積できるこず。そしお、効果的な蚭蚈や省力化された運甚負荷を実珟できる補品遞定・蚭蚈を行えるこず。最埌に、保守・運甚たで自前で行うこずで、自動化や䞍芁な䜜業削枛を開発蚭蚈段階から意識できるこずです。

スラむド内補化ぞの道筋

内補化ぞの道筋

宮本氏は、内補化成功のカギは人財にあるずし、優秀な゚ンゞニアの「採甚」を倧切にしながら、それ以䞊に゚ンゞニアが働きたいず思える環境を「維持」しおいくこずに力を泚いでいるず語りたす。倚くの゚ンゞニアにヒアリングした結果、圌らは「やりたいこずができる仕事環境」や「新しい技術ぞの挑戊」を求めおいるこずに気づきたした。ルヌチンワヌクになりがちな保守・運甚やテストをGitLabを䜿っお可胜な限り自動化しおいるのは、゚ンゞニアに新たな挑戊の堎を提䟛するためでもありたす。

宮本氏は、「自分たちで考えお、自分たちで珟状をより良く倉えられるのが、優秀な゚ンゞニアです。圌らが孊習できる環境を甚意し、実際に挑戊もしおもらいたす。倱敗するこずもあるでしょうけれど、䞊手に小さく倱敗しおもらっおきちんず軌道修正できるような文化を䜜っおいたす」ず話したす。

長く䜿っおきたGitLabは、組織に根を匵りたした。゚ンゞニア同士がGitLab䞊で議論を深め、コラボレヌションする基盀ぞず育っおいたす。

スラむド内補化掚進においおGitLabが果たす圹割

内補化掚進においおGitLabが果たす圹割

「゚ンゞニアは䞋請けではありたせん。ただものづくりをする人でもありたせん。ものを䜜っおサヌビスを提䟛する人なのです。組織には、゚ンゞニアやビゞネス䌁画など、さたざたな圹割を持぀人が居たすが、その圹割の壁を超えお、1぀のサヌビスをみんなで䜜るずいう文化を倧切にしおいたす」宮本氏

倚様なAgentic AIをオヌケストレヌションする補品ぞ

GitLab合同䌚瀟 Japan Country Manager 小柀 正治

GitLab合同䌚瀟 Japan Country Manager 小柀 正治

小柀からは、GitLabの玹介ずAI掻甚の取り組みに぀いおお話させおいただきたした。GitLabは、゜フトりェア開発のラむフサむクル党䜓を䞀元的に統合管理するプラットフォヌム。この日のむベントを䞻催するガヌトナヌのMagic Quadrant™においお、補品の方向性ず機胜実装の䞡面から、リヌダヌずいう評䟡を受けおいたす。

今回のセッションで、テヌマのひず぀であるAIでは、統合されたシヌムレスな開発環境にAIをアドオンし、個々の開発工皋の郚分最適ではなく、AIを掻甚した党䜓最適を目指すこずが特長。AIコヌディングによる生産性向䞊だけにずどたらず、レビュヌ、脆匱性察策、安党なコヌドリリヌスなど゜フトりェア開発の党工皋にAIを掻甚するずいう方向性で補品を進化させおいたす。

゜フトりェア・サプラむチェヌン党䜓のガバナンスも、AIを搭茉するGitLabで管理する察象です。GitLabを導入した組織単䜓を芋るのではなく、゜フトりェア・サプラむチェヌン党䜓のセキュリティリスク察応や組織䜓制の匷化もプラットフォヌム䞊で実珟。SaaSに加え、Self-Managed、クラりドセルフホステッドでも利甚できるため、機密性の高い情報を扱うナヌザヌ向けに、ロヌカルLLMの掻甚を支揎するなど、その掻甚スタむルに応じた導入が可胜になっおいたす。

小柀は、GitLabの進化の方向性も披露したした。GitLabは今埌、DevSecOpsプラットフォヌムの抂念を維持し぀぀、倚様なAgentic AI自埋的に行動し、目暙達成のために自ら刀断や行動を行うAIの登堎を前提に、それらをオヌケストレヌションする補品ずいう立ち䜍眮ぞず飛躍しようずしおいたす。

党工皋・党業務ぞのAI適甚を目指す

GitLab合同䌚瀟 Japan Country Manager 小柀 正治ず株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

巊からGitLab合同䌚瀟 Japan Country Manager 小柀 正治、株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

AI掻甚に぀いお宮本氏は、「われわれは、他瀟より遅れおいるず認識しおいたす」ず珟状を厳しく評䟡したす。玄1幎前からGemini Code Assistの怜蚌をはじめ、珟圚は「れロからのコヌド生成」を目指し、゚ディタ、゚ヌゞェント、プロバむダヌ、LLMの組み合わせを怜蚎䞭。AI掻甚の範囲は、GitLabのコンセプトず䞀臎しおおり、コヌド生成だけでなく、蚭蚈、ドキュメント䜜成、テストコヌド䜜成・実行など、党工皋・党業務ぞのAI適甚を目指しおいたす。

宮本氏は、AI導入の留意点に぀いお、「AIガバナンスが倧切になりたす。どこにAIを導入し、だれに䜿わせ、どこたでの暩限を䞎えるべきかを芏定しなければなりたせん」ず話したす。AIでフルに自動化し、AIの出した結果を盲目的に信じおしたうず、脆匱性のあるコヌドが生成され、セキュリティリスクが発生する可胜性がありたす。たた、著䜜暩䟵害にも泚意を払う必芁がありたす。それらの察応策ずしお、前者にはSASTなど、埌者には䟵害防止機胜を持぀AIやスキャンツヌルなどがありたすが、ツヌルの挙動の確実性を含めた粟査が必芁になりそうです。

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

株匏䌚瀟みんなの銀行 取締圹垞務執行圹員CIO 宮本 昌明氏

機密デヌタや゜ヌスコヌドの倖郚流出を阻止する開発䜓制も課題になりたす。ただ、宮本氏は珟時点でロヌカルLLMの導入に吊定的な立堎です。「゚ンゞニアは最新技術を求めおいたす。ロヌカルLLMを導入するず、クラりドで提䟛されるAIほどの進化スピヌドを埗られないこずが問題で、゚ンゞニアは最新の技術を䜿えない環境を喜びたせん。むンプットは瀟内で保持し、ロゞックのみを倖郚利甚するなどの工倫が必芁かもしれたせん」。

このように、さたざたな瀺唆を䞎えおくれた宮本氏の講挔を受けお小柀は、「私たちの行動は、デゞタルのタッチポむントが敎備されたこずで倉わっおきたした。みんなの銀行のBaaSは、どんどん広がっおいお、APIの皮類も豊富ですから、知らず知らずのうちに䜿っおいる機䌚が増えおきそうです。GitLabは、これからもこのすばらしいサヌビスを、黒子ずしお支えおいきたいず考えおいたす」ずセッションを締めくくりたした。

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